「子育てし大県“さが”」
結婚や出産、子育てがしやすい環境を整える「子育てし大県“さが”プロジェクト」。県庁に推進本部を立ち上げ、組織を横断して支援を進めており2020年で6年目を迎えた。出会いから子育てまでのライフステージに合わせて幅広く支援する事業を展開し、子育て環境に対する県民の評価は高まっている。主な取り組みを紹介する。
イクメン力全国トップに
子育てし大県に関する事業は年々増え、2020年度は54事業に及ぶ。継続した支援の結果、4年に1度調査する県民意識調査では、2018年に実施した「安心して子どもを産み育てることができる」の項目の満足度が、前回調査より12.6ポイント増え45.8%まで上昇した。県こども未来課は「一歩一歩進んでいる。支援をより加速させて、満足する人を増やしていきたい」と展望する。
積水ハウスが、男性の育児や家事への積極性などを数値化して発表した今年の「イクメン力全国ランキング」では、佐賀県が1位になった。新型コロナウイルス感染症の影響で在宅時間が増え、夫婦のストレスの増加も懸念される中で、特に「妻が評価する夫のイクメン度」の評価が高く、県男女参画・女性の活躍推進課は「光栄なこと。引き続き県も後押ししていきたい」と話している。
多胎家庭サポート 経験者が情報提供、交流会も
双子・三つ子サークルグリンピースの活動=佐賀市
県内で年間約60組が生まれるという双子以上の多胎児支援の取り組みとして、県は親の孤立感や負担感軽減を目的に、本年度から多胎家庭等サポート事業を始めた。情報提供・理解促進、多胎児の育児経験者が支える「ピアサポート」、ヘルパー派遣の3本柱で民間団体と行政が連携し、支援を求める家庭に手をさしのべている。
多胎児を持つ家庭への支援を巡っては昨年5月、市民団体「さが多胎ネット」が発足している。これを機に、育児情報などが載った「ふたご手帖」を配布し、多胎育児経験者をピアサポーターとして養成。各市町の要望に応じ、ピアサポーターと保健師が一緒に多胎家庭を訪問している。
9月には多胎妊婦らによる交流会も開いて、情報を共有した。ヘルパーを派遣して、家事などを支援する事業も調整を進めている。
県こども家庭課は「周りに多胎育児経験者が少なく、情報が少ないことも課題だった。民間や県、市町が連携して、どこに住んでいても安心して子育てできるよう、三位一体で支援していきたい」と話す。